ご縁がつながり、9/23(土)にこよりどうカフェにて、林家とんでん平氏をお招きして「手話落語会」を開催しました。普段は北海道でご活動されていますが、全国行脚中とのことで神奈川・戸塚にもお越しいただきました。

定員20名を予定していたのですが、幼児~大人28名のお申し込みを頂き、当日たまたまこよりどうカフェにお越しくださっていた数名のお客様もご一緒にご観覧下さいました。

◆手話落語とは…

(※林家とんでん平さんがご説明してくださった「手話落語」の解説です。)―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「手話落語」は、誰もが一緒に楽しむ事ができるところが利点です。 勿論、聞こえない人には手話が、聞こえる人には普通の落語の様に音声で。 だから、どんな障がいのある人も、ない人も一緒に楽しむ事ができるんです! また、例えば「江戸落語」では『粋』と言うことで、 上方落語の様に言葉を、大袈裟に言うのではなく「粋」なことばや所作で済ませる事がありますが、「手話落語」はそれらを体全体で表します。 悲しい時はどれだけ悲しいか、 美味しい時はどれだけ美味しいか。 これは手話落語の大きな利点です! だから、子供達にも理解されます! 普通の落語じゃ表現が出来ない、手話落語だから表現ができる、たくさんの利点があります。
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◆演目はその場で決定

とんでん平さんは、お客様の様子を見てその日の小噺を決めるそうです。今回、子どもにもわかりやすいものを選んでくださり、「みそ豆」「初天神」を披露してくださいました。

落語の途中で、参加者のお子さまがとんでん平さんの小噺に惹かれて、近寄るシーンもありましたが、「君も食べる?」とお団子を分けたり、「美味しい?」『うん、美味しい』というやり取り(※もちろん、実物はありません)もしながら、参加者の皆さんを巻き込んで下さいました。

「想像力を膨らませて、聞いて、見て欲しいんです!」と、とんでん平さんが何度も繰り返して伝えてくださっていたのですが、子どもたちにも十分伝わっていること、その想像力を引き出して、さらに楽しませてくださったとんでん平さんのお人柄が素敵でした。


◆落語会の後は交流会

参加者の皆さんからとんでん平さんに質問を兼ねた交流会も行いました。きこえない人、きこえる人、手話ができる人、手話は知らない人…と参加者もそれぞれでしたので、質問内容を紙に書いて、全員に伝わるようにしました。

・手話はどうやって覚えたのですか?
・今までにどこへ行脚したのですか?
・海外でも落語は通じますか?
・好きな手話はありますか?

などの質問に1つ1つお答えくださいました。

落語を始められた頃に観覧席にいらっしゃったきこえないお客様との出会いで、きこえない人にも落語を楽しんでいただきたいと、手話を学び「手話落語」を始められたとんでん平さん。きこえない人にも理解してもらえているかどうか、実際にきこえない人にもチェックしてもらったとのことでした。

そして、海外でも落語をされたことがあるそうですが、日本の手話での落語でも想像力で現地の方にも伝わったというご経験、地元の手話サークルで手話を学びつつ、全国行脚中に出会ったきこえない人に、その土地の方言手話を教わりながら、手話の語彙を増やしていったというお話もしてくださいました。

◆終わりに…

落語の面白さは耳にしていたものの、音声だけの小噺だけではきこえない私には面白さがわからないので、これまでは落語の絵本で楽しんできました。

今回手話落語会に参加して、目の前で語られる小噺がわかること、やっぱり生きた落語の方が面白さは何倍にも膨れるということを実感しました。きこえる人と一緒に楽しめる、同じタイミングで笑うことができるというのが本当に嬉しいことです。

 

とんでん平さんがおっしゃるように、手話があることで「喜怒哀楽」はもちろん、その度合いまで伝わること、より想像力が膨らんで小噺に引き込まれる魅力があることを感じました。

想像以上の人数のお申し込みを頂けたこと、大人数で手話落語会を盛り上げることができたことが非常に嬉しかったです。

(文責 松本茉莉)