5月21日、戸塚・善了寺本堂にて「降誕会」という法要が行われました。

その際の住職のお話をご紹介させていただきます。

5月21日は、親鸞さまのお誕生をお祝いする降誕会(ごうたんえ)です。親鸞さまは、9才の時から比叡山でご修行されましたが、29才の時に法然さまに会われて、お念仏こそ、苦を越える道であるという教えにであわれ、比叡山を下りられました。

親鸞さまは「あみださまの願い『われにまかせよ。必ず救う』のお念仏は、山の上で修行している人のみが救われるのではなく、私たちの日暮しそのものを救わずにおれないと、苦悩の現実をてらしてくださるのです」と説いてくれました。

私たちの時代の有り様を『五濁悪世(ごじょくあくせ)』と表します。

  • 『劫(こう)濁』:時代の濁りは、不透明な時代を見通す事が難しい様
  • 『見(けん)濁』:もののみかた、価値観、がにごってきている様
  • 『煩悩濁』:むさぼりや怒りなど、煩悩が複雑にはびこる様
  • 『衆生濁』:生きとし生けるものの資質がさがる様
  • 『命濁』:刹那的にしか、命の時間を捉えられない様

お念仏は、ドロの沼の中(五濁悪世)から美しく咲く蓮の花(み仏のすくい)のような功徳を持つと、いわれます。

親鸞さまが、私たちとともに歩んでくださっている日暮しは、五濁悪世と気づかせてくださったとき、気づいたそのままがお念仏の功徳なのです。

このように、わたしは、味わわせていただきました。

 

文:坊守
※「ぼうもり」と読みます。住職の連れあいです。
鎌倉時代から大切にされてきた言葉なんですよ。
時々つぶやきますので、優しくお付き合いください。