こんにちは。現在私は5才と6才の子どもの子育て中です。コロナ禍で外出や外遊びがままならない時期に図書館通いをはじめました。一日3冊~5冊を読み、年間のべ1000冊の絵本読み聞かせを3年続けた結果、絵本の世界の豊かさ・奥深さに魅了され、絵本は生活の必需品になりました。
今回は、今までに読んだたくさんの絵本のなかから、プレゼントにも最適なおすすめの絵本をご紹介します。他にも素晴らしい絵本はたくさんありますが、絵本作家別&こどもの年齢別に、おすすめを厳選しました。
図書館での絵本えらびや、知り合いのこどもにプレゼントしたいとき、どんな絵本を選べばいいのかな?と迷ったときのヒントになれば幸いです。
★ 1,2,3才におすすめ! 五味太郎の絵本 ★
五味太郎さんは1945年生まれの絵本作家。400冊以上の絵本が出版されています。代表作は「きんぎょがにげた」「みんなうんち」「さる・るるる」など。(参考:Wikipedia )
五味太郎のおすすめ絵本 ① 『きんぎょがにげた』(福音館書店)
圧倒的人気を誇る名作で、出産祝いの絵本の定番でもあります。逃げた金魚がどこにいるのかな?とページごとに探していく楽しさがあります。ゆびさしができるようになってからは、こどもが主体的に楽しめる絵本。カラフルな色彩も魅力です。
五味太郎のおすすめ絵本 ② 『ひよこは にげます』(福音館書店)
おうちからにげだした一羽のひよこ。ひよこが外に飛び出していく理由は書いていませんが、外のひろい世界を知りたい好奇心なのかも。こどもたちもいっしょにわくわくしながらひよこを見守ります。「きんぎょがにげた」とはまた違ったラストには、ほっとひと安心するでしょう。
五味太郎のおすすめ絵本 ③ 『たべたのだあれ』(文化出版局)
どのどうぶつが食べたのかな?と、かくれんぼしているたべものを見つける楽しさがある一冊。年齢が上がるにつれ正解率があがり、飽きずに長く楽しめる絵本です。
楽しんで読んでいるうちに、五味太郎さんの豊かな色彩が目になじみ、子どもの色彩感覚も育ててくれる一冊です。
五味太郎のおすすめ絵本 ④ 『きいろいのはちょうちょ』(偕成社)
ページの一部がくりぬかれていて、虫取り網を持った男の子がきいろいちょうちょをつかまえた!と思いきや、ページをめくるとそれはきいろいけれど違うものだった、というしかけ絵本。きいろいちょうちょは果たしてつかまるのかな?けっきょくちょうちょはどうなった!?と、こどもの興味を最後のページまでうまくひっぱっていってくれるお話です。
五味太郎のおすすめ絵本 ⑤ 『うみのむこうは』(絵本館)
うみのむこうには、何があるの?だれがいるの?わたしもおおきくなったら、うみのむこうにいけるかな。
まだ見えない世界への想像力を育むストーリーです。ちいさいうちは海という存在を教えてくれ、成長するにつれ「その向こうになにかがあるんだ」ということがわかります。おとなの立場で読むと、「もう少し大きくなったらこの子といっしょに海のむこうへいけるかな」「もっと大きくなったら、ひとりで海のむこうへいくのかな」と未来に思いを馳せるきっかけにもなるお話です。落ち着いた海の波がどのページに広がっていて心癒されるので、就寝前の読み聞かせにおすすめです。
★ 1,2,3才におすすめ! tupera tuperaの絵本 ★
tupera tupera とは、亀山達矢さんと中川敦子さんによるユニットです。著書多数、海外でも様々な国で翻訳出版されています。現在はNHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当しています。(参考:Wikipedia )
tupera tuperaのおすすめ絵本 ①『やさいさん』(学研)
畑の野菜をひとつずつ、すっぽーん!と抜くとそこには顔がついている!というしかけ絵本。
小さいうちは、とにかく野菜がすっぽーんと抜けて顔が登場するのが面白く、すこし大きくなると、抜く前の葉っぱの絵をみて、何の野菜かわかるようになる面白さがあります。たまに野菜じゃないモノも出てきます。
tupera tuperaのおすすめ絵本 ②『くだものさん』(学研)
やさいさんとセットで楽しめるしかけ絵本。こちらにも、たまにくだもの以外のモノが出てきます。すこし大きくなると自分でページをめくって楽しめるようになります。
tupera tuperaのおすすめ絵本 ③ 『あかちゃん』(ブロンズ新社)
丸形の絵本のページをめくると、どアップのあかちゃんの顔が泣いたり怒ったり。
絵本のまるい形は、さいしょはあかちゃんの顔だけれど、途中からだんだん変化していきます。泣いていた赤ちゃんがにっこり笑ったのはなぜなのか?迫力ある見開き2ページの、みんなのだいすきなまるいものがこの絵本のクライマックス。あかちゃんむけと思いきや、4~5才になってもこどもが「これ読む!」と自分から持ってくる、人気の絵本です。
tupera tuperaのおすすめ絵本 ④『いろいろバス』(大日本図書)
いろいろな色のバスにいろいろな色の意外なモノが乗り降りしていきます。さいごのほうにいろいろなものが勢揃いしているページがあり、「○○はどこ?」とたくさんの中から見つける面白さもあり、 何度見ても飽きません。のりもの好きなお子さんにも最適な一冊です。ぱきっとした鮮やかな色づかいがきれいで目をひきます。 モノの色と名前、形をおぼえはじめる時期から長く楽しめます。
tupera tuperaのおすすめ絵本 ⑤『しろくまのパンツ』(ブロンズ新社)
しろくまさんがなくしたパンツは、いったいどこにいったのか!?パンツの部分が切り抜かれたしかけ絵本。いろんな柄のかわいいパンツが勢揃い。けっきょく、しろくまさんのパンツはどこに・・・?パンツという親しみやすいアイテムをテーマにしているので、低年齢の子どもから楽しめます。
★ 3,4,5才におすすめ! エリック・カールの絵本 ★
エリック・カールは1929年生まれのアメリカの絵本作家です。2021年にお亡くなりになりましたが、「はらぺこあおむし」は39か国語に翻訳され、出版部数は5500万部を越える世界的ベストセラーとなりました。(参考:Wikipedia )
エリック・カールのおすすめ絵本 ①『はらぺこあおむし』(偕成社)
言わずと知れたベストセラー絵本。今でもその魅力は健在で、こどもたちはあおむしの食べたものを楽しげに覚えて次のページをめくります。食べたところが小さく丸くくりぬかれ、数や曜日が自然と覚えられるようなしかけもあります。
色を塗った紙を切り抜いて貼りつけるコラージュの手法が魅力的で、「絵本の魔術師」とも呼ばれたエリック・カールにしか出せない色がたくさんちりばめられています。
エリック・カールのおすすめ絵本 ②『ごきげんななめのてんとうむし』(偕成社)
はらぺこあおむし以外の虫シリーズも、それぞれとてもおすすめです。
不機嫌なてんとうむしが自分より大きな虫や動物たちに「ぼくとけんかしないか?」とつぎつぎとけんかをしかけていきます。ページの上のほうに小さなアナログ時計のイラストが添えられ、何時何分に誰に会いにいったのかがわかるようになっています。5~6才の子なら、とけいに親しむきっかけづくりにも良いですよ。
エリック・カールのおすすめ絵本 ③『くもさんおへんじどうしたの』(偕成社)
カラフルで力強いデザインのくもが印象的な「くもさんおへんじどうしたの」。
ページをめくるごとにすこしずつ出来上がっているクモの巣は、糸がすこし立体的にぷっくりとした特殊な印刷で、そこを指でなぞって楽しめます。
エリック・カールのおすすめ絵本 ④『さびしがりやのほたる』(偕成社)
「くもさん~」が触覚で楽しむ絵本なら、こちらは視覚の楽しさがしかけてあります。仲間を探してとびまわるほたる。最終ページでは、ほたるのおしりが光る仕様になっています。この絵本ではじめてほたるに触れてから、ほたるの飛ぶ季節にほんものに会いに出掛けるのも楽しいですね。
エリック・カールのおすすめ絵本 ⑤『だんまりこおろぎ』(偕成社)
あいさつがしたいのに鳴くことができないこおろぎが、さいごにであったのは・・・。
ラストのページできれいなこおろぎの鳴き声がきこえるしかけ絵本です。
ずーっと失敗つづきだけど、それでもついに、時が満ちて…!というお話は子どもにとても響くようです。涼しい秋に読みたくなる一冊です。
★ 3,4,5才におすすめ! ヨシタケシンスケの絵本 ★
ヨシタケシンスケさんは1973年生まれのイラストレーター、絵本作家です。代表作は「りんごかもしれない」「おしっこちょっぴりもれたろう」など。書店の絵本コーナーの目立つところに必ず並んでいるので目にしたことがある人も多いでしょう。
ヨシタケシンスケのおすすめ絵本 ①『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所)
「トイレのあと、ちょっとだけパンツにおしっこがもれちゃう」ことに悩む男の子のおはなし。「なんでなんだろう、ぼくみたいにこまってるひと、ほかにもいるんじゃない!?」と外に飛び出していく彼に、子どもたちもうんうん、そうだねえ!と共感し、ラストシーンではほっとひと安心できる展開です。みんなそれぞれ悩みがある、外からはわからないけど困ってることがある。でも意外とちかくに仲間がいるのかもしれない。という考え方を教えてくれる一冊です。
ヨシタケシンスケのおすすめ絵本 ②『なつみはなんにでもなれる』(PHP研究所)
なつみが何かになりきって、お母さんがそれを当てるというおはなし。なつみの想像力と表現力は大人の理解の範囲を越えているけれど、2回目からはもう「それ」にしか見えない!なれてくると子どもたちはなつみの真似をして、「これなーんだ!」とからだで表現する楽しさを覚えます。
ヨシタケシンスケのおすすめ絵本 ③『わたしのわごむはわたさない』(PHP研究所)
おかあさんからもらったひとつのわごむ。それを宝物のように大事にする女の子のおはなし。小さい頃、誰でもささやかなものを「自分だけのもの」として大事にしていた思い出があるはず。そのときのワクワクした気持ちに大人も子どもも共感できます。それぞれの「たからもの」について話し合うきっかけになるかもしれません。
ヨシタケシンスケのおすすめ絵本 ④『あきらがあけてあげるから』(PHP研究所)
びんのふた、スナック菓子の袋。子どもがひとりではあけられないものってたくさんありますね。あきら少年は自分で開けたくて、何でも自由に開けられる自分になったときの想像をはじめます。あんなものや、こんなものまで、ついにはとんでもなく大きなものまで!「きゅぽっ」「ぱかっ」という痛快な音や、なんでも開けて皆にびっくりされたり感謝されたりする姿が子どもたちの気持ちを引き付けます。
途中ででてくるあきらのお父さんの、「子どもにいろんなものを開けてあげたい気持ち」は、子を想う親の気持ちがつまっています。
ヨシタケシンスケのおすすめ絵本 ⑤『こねてのばして』(ブロンズ新社)
「こねてのばして、またこねて♪」と、なにかパン生地のようなものをこねながら
リズミカルな台詞と動きを、読みながら真似して楽しめる一冊。子どもとのスキンシップにも最適です。
★ まとめ ★
1,2,3才へのおすすめに、五味太郎とtupera tupera、
3,4,5才へのおすすめに、エリック・カールとヨシタケシンスケをセレクトしました。
どの本も、リビングや本棚においてあるだけで大人も子どもも嬉しくなるような色使いやデザインなので
プレゼントにも喜ばれることと思います。絵本えらびの参考になれば幸いです。
この記事の書き手 :
喰代彩 (ほおじろあや)
横浜市出身、善了寺のデイサービス「還る家ともに」で介護士として働いていました。現在は小豆島にIターン移住して四年目、二児を育てながら島の暮らしや、善了寺デイサービスの思い出についても書いています。