「ママ、あのちょうちょは何?」

ある車を指して、娘が私に聞きました。車のボンネットに黄色い蝶々のステッカーがついていました。はて?見たことがあるような、ないような…。私は答えられませんでした。

皆さんは、このマークをご存知ですか。

 

聴覚障害者標識

こちらは「聴覚障害者標識」といいます。

この標識を付けた自動車は、聴覚に障害のある方が運転しています。ご理解と心くばりをお願いします。

という意味だそうです。

平成20年(2008年)6月1日から、聴覚に障害のある方が、普通自動車の運転免許を取得できるようになったことに伴い、使われるようになりました。聴覚に障害のある方が普通自動車を運転する場合、車体に「聴覚障害者標識」と、特定後写鏡(ワイドミラーまたは補助ミラー)を設置することが義務付けられています。

一方、周囲の運転者は、聴覚障害者標識を表示した普通自動車に対して幅寄せや割込をすると、50000円以下の罰金、反則金(大型車7000円、普通車または二輪車6000円、小型特殊自動車5000円)、基礎点数の減点1点の処罰があります。

私も車を運転するのに知らなかったなんて、お恥ずかしい限りです。知る機会があってとてもよかったです。

 

他にもあります運転者標識

運転者標識を調べていたら、もうひとつ驚いたことがありました。この記事の冒頭に5台の車と5つのマークが表示されています。実はこの中に運転者標識ではないものがあります。どれでしょうか。

答えは、上段中央の白い車に付いている車椅子のマークです。こちらは「国際シンボルマーク」であって「運転者標識」ではありません。

近年、商業施設や公共の場等、あちこちで見かけるようになった車椅子のマーク。「障害をもつ人々が利用できる建築物や施設」であることを示す世界共通のマークです。車に貼ってあるのも見かけますよね。どういう意味なのでしょうか。日本国内でこのマークを管理している日本障害者リハビリテーション協会では、以下のように説明していました。

個人の車に表示することは、国際シンボルマーク本来の主旨とは異なります。 障害のある方が、車に乗車していることを、周囲にお知らせする程度の表示になります。 したがって、個人の車に表示しても、道路交通法上の規制を免れるなどの法的効力は生じません。

 

他の4つは運転者標識です。どんな人が運転しているのかを表しています。緑色の車は「身体障害者標識」、赤い車は「初心運転者標識」、青い車は「高齢運転者標識」、黄色い車は「聴覚障害者標識」です。

 

車に車椅子マークが付いているのはみかけますが、考えてみれば、運転する人を現わしているわけではないですね。本来の意図とは違うかたちで広がっているということらしいです。他国の事情は存じ上げませんが、日本独自の使い方なのかもしれませんね。これまたひとつ勉強になりました。

 

参考

警察庁 https://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo20/kakudaiannai.html、https://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo20/tyoukaku.htm

公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 https://www.jsrpd.jp/overview/symbol/

 

 

寄稿者 ほりえりえこ
湘南在住。小学生の娘と暮らしてます。今を大切に。日々のなぜ、なに、どうしてを大切に。心が動いたこと、子どもに伝えたいことを書いています。