立派な聖護院だいこんを頂きました。グレープフルーツより二周りは大きいでしょうか。掘りたてで瑞々しくずっしりとしていました。

白くて丸い根菜をみて、初めは大きな蕪(カブ)だと思いました。大根は細長いもの、蕪は丸いもの、と思っていましたので。でもこちらは大根だそうです。

形で区別しないとすると、大根と蕪の違いは何でしょう?ご存じですか?

 

大根と蕪の違い

①可食部
大根はその名の通り、大きくなった根っこを食べるものです。一方の蕪は、膨らんだ胚軸を食べています。胚軸というのは、双葉と根っこの間にある茎の部分を指します。確かに、火を通すと皮をむいた蕪は、大根よりも煮崩れしやすいので、茎の内側と考えると納得です。

②分類
大根はアブラナ科ダイコン属。蕪はアブラナ科アブラナ属。大根も蕪も同じアブラナ科ですが、属が違います。花を見る機会があると分かるのですが、大根の花は紫がかった白い花です。蕪の花は、いわゆる菜の花と同じ黄色い花が咲きます。大人になってから知ったのですが、私たちはアブラナ科のお野菜をたくさん食べています。蕪だけでなく、ブロッコリー、キャベツ、白菜なども、収穫せずそのまま育つと菜の花が咲きます。

③葉の形
葉がついていれば、葉の形でも見分けることができます。大根の葉はギザギザしています。蕪は小松菜等のように細長い楕円上の葉がついています。どちらも塩もみしたり、茹でたりして、食べることができますね。

 

聖護院だいこんの由来

関東のスーパーで、伝統的な京野菜である聖護院だいこんに出逢うことはまれです。そもそもどんなお野菜なのか、京都市情報館のホームページに紹介されていました。

<来歴>
文政年間(1816~1830)に現在の左京区聖護院に住む農家が、尾張の国から黒谷の金戒光明寺に奉納された大根を譲り受け、栽培し、採取を重ねるうちに短系のものが生まれ、それが土壌の浅い京都の地に合ったので、聖護院一帯に栽培が広がったといわれています。
来歴については、別の農家が取り寄せたという説もありますが、いずれにしても尾張の宮重大根という長大根が原種であるといわれています。

<特徴>
短系で球形で地表に現れる部分は淡い緑色を呈します。肉質は柔らかく、煮物に適しています。

京都市情報館 https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000029058.html

 

 

今回頂いたのは、聖護院だいこんでしたが、聖護院かぶというお野菜もあります。京都の代表的なお漬物である千枚漬けには聖護院かぶを用いるそうです。確かに、あのとろんとした食感や甘みは蕪特有のものですね。