キャンドルをてばなそう

2020年6月18日

今年も間もなく夏至がやってきます。そう、夏至のキャンドルナイトの季節です。でも、今年はちょっと違います。新型コロナウィルス世界的感染爆発の最中に迎えるキャンドルナイトです。お寺では、本堂で住職が独り、電気を消して、お灯明を頂き、平和法要をお勤めします。

改めて、独りで迎えるキャンドルナイトに思いをはせるとき。毎年、キャンドルを灯していた自分に気づかされました。文字通り、「私」が灯していました。

新型コロナウィルスによって、みんなが集うキャンドルナイトができなくなった時・・・。

毎年キャンドルを灯していた「私」に「キャンドルをてばなそう」という声が聞こえてきました。

12年間、多くの学生さんと、商店会の仲間たちと、近隣の住民のみなさんと、そして、戸塚のキャンドルナイトを楽しみにしてくださる多くのみなさんと

一緒に、灯し続けてきた明かりです。「今年も」という思いは強くあります。

「キャンドルをてばなそう」という声に導かれて、独りで平和法要をお勤めしようと思ったとき、寂しさで、心が真っ暗になるかと思っていました。

でも、そうはならなかった。心の中で、灯火は消えなかった。灯されていた。その灯火がやってきてくれた。

12年という時の間には、多くのみなさんとの出会いと別れがありました。決して、生きているものだけで、作り上げている場ではありませんでした。生と死が交差して、死者もともに集い、そして、人間の命だけではなく多くの命と共にある大切な場所が生まれる。それが、お寺のキャンドルナイトです。

「キャンドルをてばなそう」そして、ゆっくりと暗闇に出遇う。そこには、きっと灯火がやってきてくれる。

そうやって恵まれた灯火は、「今」を決して孤立させはしない。一緒に灯し続けてきた仲間がいる。

生死をこえてたくさんの友がいることに気づかせてくれます。

また、みんなと一緒にキャンドルを灯そう。

みなさん、本当にありがとうございます。

返しきることのできないご恩に、感謝をこめて……

これまでの夏至キャンドルナイト・アーカイブ

これまでのキャンドルナイトのテーマとお迎えしたゲスト（敬称略）です。

■2008年

6月20日　　夏至キャンドルナイト～灯りがつなぐ心と心（ゲスト：群馬県西福寺安部住職、スカルマ・ギュルメット（NPOジュレー・ラダック）

■2009年

6月19日　　夏至キャンドルナイト～あいてらす　（ゲスト：上田紀行、ライブ：ボビン）

■2010年

6月18日　夏至Candle Night～スローファッション：生物多様性とフェアトレード（ゲスト：藤岡亜美、石井朝子、スローファッションショー：辻ゼミ有志）

■2011年

6月17日　　夏至キャンドルナイト～ポスト3.11のための江戸学　（ゲスト：田中優子、ライブ：松谷冬太、遠藤律子（ピアノ））

■2012年

6月15日～22日　　夏至キャンドルナイト～ポスト３．１１を創る～生きること、住まうこと（ゲスト：藤村靖之、大岩剛一、ライブ：松谷冬太、津上研太）

■2013年

6月21日　　夏至キャンドルナイト（ゲスト：亀山ののこ（フォトグラファー）、中村隆市、ライブ:松谷冬太、かぜよし）

■2014年

6月20日　　夏至キャンドルナイト～LOVE IS THE MOVEMENT!! ～愛とは弱さを抱きしめること～（ゲスト：辻信一、高橋源一郎、伊藤英樹、ライブ：松谷冬太、ゴンドウトモヒコ、和泉聡志）

■2015年

6月19日　　　夏至キャンドルナイト～めぐるいのち～スローホームとスローデス
（ゲスト：上野宗則（素敬）、大岩剛一（スローデザイン研究会）、松谷冬太（シンガー）

■2016年

6月17日　　夏至キャンドルナイト〜Slow is Beautiful（ゲスト：松場登美（郡言堂）、スローファッションショー（yuha＋辻ゼミ））

■2017年

6月16日　夏至キャンドルナイト～Etchical x Local（ゲスト：末吉里花（エシカル協会代表理事）、新井和宏（鎌倉投信取締役）、（音楽：ウォン・ウィンツァン）

■2018年

6月22日～23日　キャンドルナイト夏至　We the Forest, Forest in Me　私たちにとって、森とは？（ゲスト：CWニコル（作家、ナチュラリスト）、貝澤耕一（NPOチコロナイ代表理事）、　舩田クラーセンさやか（アフリカ研究者）、辻井隆行（パタゴニア日本支社代表）、ウォン・ウィンツァン（ピアノ））