髪をバッサリ切りました。胸の下くらいまで伸びていたのを、刈り上げワカメちゃんスタイルに。久々のショートヘアです。45㎝以上切りました。
さっきまでお手入れしていた髪の毛も、切ってしまえばただのゴミ・・・。でも、その髪の毛、実は活かされる道があるんです!!

ヘアドネーションをご存知でしょうか。

「ヘアドネーション」とは、ヘア(髪の毛)とドネーション(寄付)を合わせた言葉です。小児がんなどの病気や事故等により髪の毛を失った子どもたちのために、寄付された髪の毛を使用して、ウィッグ(かつら)を作り、無償で提供する活動のことです。(福岡県庁ホームページより)

日本には、無償で子ども用のウィッグを作っている団体がいくつかあります。条件にあった髪の毛を送ると、その団体がウィッグの材料として髪の毛を使ってくれます。団体ごとに違うと思いますが、私が送ったJHD&C(Japan Hair Donation & Charity) では、年齢、性別、髪色、髪質は問われず、

・31㎝以上の長さがあること
・カラー、パーマ、ブリーチヘアもOK
・完全に乾いていること

が条件でした。

医療用ウィッグを待っている人

JHD&Cでは97名の方が医療用ウィッグが届くのを待っています(2023/11/27現在)。18歳以下であれば、誰でも申し込むことができます。

髪の毛を失う理由は人によって様々ですが、例えば、抗がん剤の副作用で髪の毛がごっそり抜けてしまうことがあります。闘病中も日常生活を続けるために、ウィッグが必要だと思うのは当然のことです。けれども、医療用ウィッグの費用は保険適応外です。

(*自治体によっては助成金で一部費用の負担をしてくれることもありますので、気になる方はお住いの地域のサービスを調べてみてください。)

人工毛を使った安価なものも売られていますが、自然な髪質や、肌への刺激の少なさを謳っているメーカーの商品は職人さんの手作りで、価格も20万円前後からとそれなりです。また、小児用は既製品のサイズが限られていたり、そもそも体の弱いお子さんの肌には人工毛が合わなかったり、人毛&手作りの必要性が高まります。

待機人数は各団体によって公開していないこともありますが、手間のかかるオーダーメイドの製品を無償で提供するために、どうしてもお待たせしてしまう傾向にあるようです。
ひとつの医療用ウィッグを作るのに、30~50人分の毛髪を一本ずつ手でウィッグ用ネットに結びつけていくそうです。

 

髪をアップサイクルする日

形を変えて資源を再利用することをリサイクル。資源の形を変えず新たに価値を与えて再利用することをアップサイクルといいます。ヘアドネーションはアップサイクルにあたると思いました。この用語については、また別の投稿で深めたいと思います。

私がヘアドネーションを知ったきっかけは、かつての勤め先の同僚でした。彼女は出産前に長かった髪の毛を切り「寄付したの」と言っていました。そんな社会貢献の形があるのだと、その時初めて知りました。

私は寄付するために、髪の毛を伸ばしていた訳ではありません。そろそろ切ろうかなと思ったタイミングで、たまたま彼女のことを思い出しました。そして、もうこんなに長く髪の毛を伸ばすことはないかもしれないと思い、ヘアドネーションを決めました。

私にとっては不要だけれど、誰かにとっては役に立つ。少し視点を広げれば、そんな可能性が他にもあるかもしれませんね。

 

 

JHD&C https://www.jhdac.org/
女性医療用ウィッグ専門店One Step https://www.glowing.jp/column/medialwig_joseikin「ヘアドネーションは意味がない?」NHK 2021年2月10日 平井良江ディレクター
https://www.nhk.or.jp/aomori-blog2/2600/447479.html
福岡県庁 https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/hairdonation.html
講談社SDGs https://sdgs.kodansha.co.jp/news/knowledge/40580/

寄稿者 ほりえりえこ
湘南在住。小学生の娘と暮らしてます。今を大切に。日々のなぜ、なに、どうしてを大切に。心が動いたこと、子どもに伝えたいことを書いています。