突然ですが、「小春日和」という言葉はいつ使ったらよいのでしょうか。

私はよく分からなくなります。

本当は寒いはずの時期に訪れる温かい日のこと

くらいに漠然としたイメージはできるのですが・・・。
いざ使おうと思うと自信がありません。

 

小春日和といえば、山口百恵さんの「秋桜」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
「こんな小春日和の穏やかな日は~♪」という歌詞があります。そうすると、秋の頃がよさそうですね。
だんだん絞られてきました。

 

「小春日和」というのは、実は時期が限定されている表現です。

小春は旧暦十月の異称。現在の暦で11月から12月にかけての晩秋から初冬の時期。移動性高気圧に覆われたり、弱い西高東低の気圧配置になると、冬はすぐそこまで来ているのに、春を思わせる暖かな晴れの天気になります。この穏やかな晴天が「小春日和」です。

「季節のしきたり和のおしえ」 辻川牧子 KKロングセラーズ 2018

 

木枯らしが吹いた翌日は、うって変わって穏やかな陽気に包まれることが多いとされています。まるで春が来たのかと勘違いするような、のどかな天気。それが「小春日和」です。
「小春」は旧暦10月の異称で、「小春日和」は新暦の11月から12月上旬にかけて使います。
(中略)
各国に秋の好天をあらわす言葉があります。アメリカは「インディアン・サマー」、ドイツは「老婦人の夏」、ロシアは「女の夏」。夏が登場するのは、緯度が高く日本ほど春が温暖ではないためといわれています。
「日本の365日を愛おしむ―毎日が輝く生活暦―」 本間美加子 東邦出版株式会社 2019

 

 

つまり、今です。

この時季のぽかぽか陽気の日!

 

ちなみに2022年の旧暦10月は、新暦10月25日から11月23日までです。旧暦は新月から次の新月までの期間を一月として考えます。参考文献のとおりなら、季語としては12月上旬まで使ってもいいのかもしれません。

今年は時期を逃さず「小春日和だねぇ」と使ってみたいです。