ばあちゃんたちのいるところ ―善了寺デイサービスで過ごした日々―

その1・おしゃべりばあちゃんの巻。

 

マツさんの小話は回数を重ねているだけあって磨きがかかっており、

話のテンポもリズムも完璧でほんとうに落語家のようでした。

長年利用されていたので私も色んな話を聞かせてもらいました。

どのくらいの数があるんだろうと疑問に思い、その当時、一度ノートに書き出してみたら、

即座に思い出せるだけでも30はすぐに超えました。

多分全盛期は100話近いバリエーションがあったと思います。

晩年はどんどん話の数が少なくなっていき、それはそれで少しさみしい気がしたのを覚えています。

マツさんの小話は子供のころの家族にまつわる楽しいエピソードが多く、

その後は戦争もありご苦労もされたと思いますが

しあわせな少女時代というものは一生を支える宝物なんだなと思いました。

 

それでは、また次回。

お読みいただきありがとうございました。

 

 

この漫画の書き手:

喰代彩 (ほおじろあや)

横浜市出身、善了寺のデイサービス「還る家ともに」で介護士として働いていました。

現在は香川県・小豆島にIターン移住して三年目、二児を育てながら島の暮らしと

善了寺デイサービスの思い出について書いています。