この春から「住職の学びほどくシリーズ」を始めたいと思います。
「学びほどく」という言葉は、辻 信一さんから教えていただきました。
辻さんが書かれた『ゆっくり小学校 学びをほどき、編みなおす』(ゆっくり小文庫 刊)に辻さんの師匠である鶴見俊輔さんの話として、ヘレン・ケラーと鶴見さんのエピソードが紹介されています。
アルバイト先の図書館で、鶴見さんはヘレン・ケラーによって「アンラーン」という言葉に出遇います。辻さんはその言葉の重要性を次のように語りかけます。

この「アンラーン」が問題です。「学ぶ」<learn>の頭に否定を意味する<un>がついている。もともとは、「学び、習い、覚えたことを意識的に忘れようとする」こと。でも、そこにもう一つ、「学びなおす」という言葉が加わったらしい。鶴見さんの訳は「学びほどく」でした。「学び」を一度ほどいて、またつくりなおす。億劫がらずに、何度も。糸をほどき、布を編みなおすように。

『ゆっくり小学校 学びをほどき、編みなおす』(ゆっくり小文庫 刊)P16~P17

「住職の学びほどくシリーズ」もこの言葉から始まっています。
私たちは、思い込みや偏見によって見えなくなっていることが
たくさんあるのではないでしょうか。
それは、関わることがもつれて固まっている状態と言えいるのだと思います。
もつれた関わりを、ゆっくりとほどき、編み直す。そんな学びをご一緒できればさいわいです。