住職がご法話の中で「1+1=2ではない世界がある」と言われました。

その後「例えば、二つの雲があったとします。その雲と雲がくっついたら一つの雲になります。1+1=2ではないですね」と続くまで、私の頭の中は「????」と混乱していたのですが、雲の話を聞いたら、「なるほど~~」となりました。

「1+1=2」これは小学1年生の時から変わらぬ安心できる固定観念として私の中に焼き付いていました。変わらない安心できる固定観念だと思っていたものが、このコロナの時代に変えられるものもあるんだと思いさせられました。

例えば、友人のご主人は会社に100%行かないでも、家でリモートで仕事が成り立つというのです。例えば、「福祉施設に入所しても自由にいつでもご家族の面会はできます」と、うたっていた施設が全く面会禁止になり家族との交流が遮断されたのです。その昔にさかのぼれば、ろうそくの灯りのみでしか暮らせないと思っていた人たちは電気がついたとき、その便利さ明るさにどんなに驚かされたことでしょう。

今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなくなることがある。今までこれしかないと思っていたことが、他にも方法があると知らされることがある。

変わらない固定観念の中で生きていることの方が安心なようで、実は窮屈なのかもしれない。

他の価値観を受け入れていく柔軟さを養うためのやわらかな心は、こうまで固定観念が凝り固まっていてはどうやったら持てるのでしょうか。

戸塚・善了寺 坊守