世情不安の中、心からお見舞い申し上げます。
是非ご一緒に見て頂きたい動画あります。
【日本赤十字社】「ウイルスの次にやってくるもの」です。

この動画をみながら思い出した方がいます。(※)サティシュ・クマールさんです。実は、今年の3月に来日される予定でした。

2009年にお会いした時に、「すべてのお寺は平和のためにある」という言葉を頂きました。今でも、大切にしている言葉です。2009年の来日の時に、築地本願寺で、「平和フォーラム2009 Be the Change おかげさまから つながる世界」というイベントにご出演頂きました。ナマケモノ倶楽部世話人の辻信一先生と、歌手のYaeさんもご一緒でした。素敵なトークセッションがあり、その中で、「恐怖」について語ってくださっている部分があります。辻先生が同時通訳してくださっています。トークセションの一部を文字おこししましたので、引用させて頂きたいと思います。

戦争の原因と恐怖の原因は同じだと思います。

この分離です。私が他の人を自分とはちがうもの、かけ離れたものとして分離した途端にそこに恐怖の種がまかれる。

私はあなたの兄弟姉妹であるという風に考えればそこには恐怖はありません。しかし、アルカイダもタリバンもイラン人も、私たちとはまったく別のものと考えるこの関係の中に恐怖が作られていく。もともと我々の中に恐怖の種はあるんですね。

本来文化というものは、その恐怖を励まし育てるのではなくて、そのかわりに信頼を育むはずのものだったのではないでしょうか。

私の恐怖は必ず相手の恐怖を呼び起こします。その恐怖がまた私の恐怖を増幅するでしょう。こうして恐怖は恐怖をつくり出すのです。

しかし、逆に私があなたを信頼すれば、あなたは私を信頼してくれるでしょう。こうして、信頼は信頼をつくりだすことができるのです。

ですから、質問にまたもどれば、恐怖の原因は関係性、我々は根本的につながっているということを忘れることです。そして、それを克服するためには、そのつながりへと立ち戻ることだと思います。

(ナマケモノ倶楽部DVDブック 『サティシュ・クマールの今、ここにある未来 with 辻信一』収録特典映像「平和フォーラム2009 Be the Change おかげさまから つながる世界」17分頃からの発言)

「離れても、つながる」ことが当たり前の時代になると思います。そんな時代の真っ只中で、サティシュ・クマールさんの2009年の発言ですが本当に響きます。先の動画とあわせてご一緒に、「コロナウィルスの次に来るもの」をどう捉え、どう生きていくのか考えてみませんか。

 

(※)サティシュ・クマール 

1936 年インド生まれ。9歳で出家しジャイナ教の修行僧となる。18 歳のとき還俗。マハトマ・ガンジーの非暴力と自立の思想に共鳴し、2 年半かけて、核大国の首脳に核兵器の放棄を説く1 万4000 キロの平和巡礼を行う。1973 年から英国に定住。 E.F. シューマッハ―(イギリスの経済学者、『スモール・イズ・ビューティフル』著者)とガンジーの思想を引き継ぎ、 イギリス南西部にスモール・スクールとシューマッハ―・カレッジを創設。