2017年11月11日「『しあわせの経済』世界フォーラム2017」が開催されました。その開催に際して、サティシュ・クマールさんが来日され、戸塚・善了寺へも訪問されました。

そしてサティシュ・クマールさんをお迎えしての「ゆっくり小学校 秋の特別授業」が辻信一さんから、開催されました。その際に、サティシュ・クマールさんが語り、辻信一さんが通訳した内容を書き起こしたものです。少し長くなるのですが、ご一読いただけますと幸いです。
(前回の書き起こしはコチラから)

今日の話で私はまずスピリチュアリティと宗教について話しました。それは私たちの内面の話ですね。そしてその外面の表現が物を作りだすということなんです。内面的な部分は、自分の中に共感を愛をやさしさを育てて下さい。

そして自分の外面的な人生では、アート、アーティストとして詩人として、物を作る人として生きてください。もちろん愛は内面にとって良いだけではなく、外面的な人生においても重要です。

英語のすべての分の中で一番素晴らしい文は「アイラブユー」です。英語学んだ方がいいですけど、たった一文だけ学ぶとしたら「アイラブユー」を学べばいいです。皆さんご一緒に「アイラブユー」(来場の皆さんで「アイラブユー」と唱和)ワンダフォー!素晴らしい!新しい運動を始めようじゃないか。アイラブユームーブメントです。

愛には二つの種類がある。一つはエロティックな。それも美しいです。もう一つはロマンチックなラブ。このロマンチックラブの凄さは、特定の相手じゃなくていい。すべての人間、すべての物に。

ロマンチック文学、ロマン派という文学がありますよね。そこでは愛というのは本当に人間との間の愛だけじゃないです。川に対する、森に対する、山に対する愛。ロマン派の詩人として、ウィリアムブレイクという人がいらっしゃいますが。他にもいっぱいいますが、日本にも、おそらくその伝統があることは間違いありません。

例えば華道。お花のアートがありますけど、あれだってとてもロマンチックですよね。それをやる人は花に恋をしているのです。エロチックラブの方を身体的な愛だとするならば、一方のロマンチックラブの方は、ハートです。そのエロチックラブでも実は、ロマンチックラブは身体と心を統一することができる。

さっきアイラブユー運動と言いましたけど、自分がエロチックな関係にある人だけではなくて、全ての人すべての物に対してアイラブユーと言えるんだ。そして私は環境運動家です。環境問題を何とか解決しようと努力している人たちにも、その運動を愛からやっていただきたい。

残念ながら活動家の中には、愛からではなく恐怖や不安から行動している人がいる。でも考えてみて下さい。あなたは本当に川を、森を、山を愛しているならそれを壊しはしませんよね。すべての社会活動が、愛に基づいているものでなければなりません。

ですからこれから花を見るたびに、木をみるたびに、富士山の美しい姿を見るたびに「アイラブユー!」と言ってください。そして愛に基づいて活動している人は、疲れ果てたり燃え尽きたりしないんです。失望したり挫折したりもしない。ですから皆さん愛に基づいて、生涯より良い社会より良い生活のために活動する人になりましょう。

皆さんここを出るとき、新しい人間になったつもりで、私の今日の話をぜひ活かして、これからは詩人として生きる。物を作る人として生きる。

そして愛に基づく活動家として、より良い社会のために尽くす人となる。そういう気持ちで今後生きていっていただきたい。今年は実は私もう一冊の本が出版されてまして、それは人類はどこへ行くのかというタイトルなんですね。ぜひ読んでいただきたい。

皆さん今日は本当にどうもありがとうございました。そして特に成田住職にお礼を言いたい。こういう場所に招いていただいただけじゃなくて、こういう素晴らしい建物。これがアートでなくてなんでしょう。ありがとう。センキュー!

サティシュ・クマールさんの特別授業の書き起こしは、これで終わりです。

お読みいただき、ありがとうございます!