令和7年11月23日、善了寺のデイサービス「還る家ともに」の二十周年記念式典を開催しました。天候にも恵まれ、ご本堂には80名近い方々がお集まりくださいました。

デイサービスの利用者さんとそのご家族、色々な形で支えてくださるご門徒さんや地域の方々、日々の運営を担うスタッフが一堂に会し、これまでの歩みを振り返ったり、利用者さんのご長寿を祝ったりしました。15年の節目はコロナ禍であったため、皆さんをお招きする会を開くことができませんでした。その分までお祝いするかのように、大変多くの方にご参加いただき有難いことでした。

今回の式典を催すにあたり、大事にしたかったのは「デイサービスをご利用してくださる皆さんにスポットライトがあたる」ということ。平時のデイサービスと根底に流れるものは同じです。

式典にお集まり頂いた方の多くは、デイサービスの利用者さんです。持病があったり、身体が動きにくかったり、長く同じ姿勢で座っているだけでもご負担が大きいはずです。そんな中で、少しでも楽しめるようにと企画が練られました。一般的に「式典」というと堅いイメージがありますが、終始和やかに皆さん過ごされていたと思います。

 

・法要

お寺のデイサービスらしく、冒頭はお経とご住職のご挨拶から始まりました。この20年、デイサービスに関わってくださった方々はたくさんいらっしゃいます。中には既にご往生された方もいらっしゃいますが、仏様の前で分け隔てなく感謝し、この機会に想いを馳せたいとお言葉がありました。

・来賓挨拶

ご来賓を代表して(株)日本生活介護の佐藤代表取締役からご挨拶を頂きました。
始まったばかりの介護保険制度。宗教法人が介護施設の運営に名乗りを挙げたのは神奈川県初。前例がない故なかなか進まなかった行政とのやりとり。手探り状態の20年前、介護施設の立ち上げについてご相談させて頂いたのが佐藤代表です。黎明期をご存知だからこそ、ここまで続けられたことを一緒に喜んでくださいました。

・20年の振り返り

「地域に開かれたお寺でありたい」という思いは、地域のお年寄りを信仰にかかわらず受け入れる介護サービスとして実現しました。門徒さんをはじめボランティアでお寺に来てくださる方が増えたり、商店会イベントとの連携で地域交流の場になったり、デイサービスを軸とした多層的な関わりが、お寺に生まれました。
デイサービスにおける春夏秋冬の日暮らし、お誕生日会の様子などを写真を使って紹介しながら、どういう想いで利用者の皆さんに関わらせて頂いているのか、所長からお話がありました。いつもその場にはいないご家族にも、デイサービスの様子が伝わっていれば幸いです。

・利用者さんによるハンドベルの演奏

言葉が出にくくなっても、懐かしい歌の歌詞なら自然と口ずさめる方がいらっしゃいます。耳が遠くなっても、心に刻まれた音で歌われる方がいらっしゃいます。コロナ禍の間「みんなで歌を歌ってはいけない」時期がありました。そんな折でもデイサービスで続けられた音楽がハンドベルです。
いつか発表する機会を作りたいなと思っていましたが、このような晴れ舞台でお披露目できて本当に嬉しかったです。ご家族にとっては初めてみるお父様やお母様の姿だったことでしょう。誇らしかったり、はらはらしたりしながら温かく見守って頂きありがとうございました。

・ご長寿を祝う表彰

現在30名程の方がデイサービスをご利用くださっていますが、お歳には幅があります。50代の方から100歳に近い方までいらっしゃいます。その中で最年長の世代にあたる96歳、97歳、98歳の方々を壇上にお呼びして表彰状をお渡ししました。
デイサービスではよく年齢が話題になりますが、80代の方は90代の方々から「若いねぇ」と言われます。言われた方も「昭和2年生まれであんなに元気だなんてすごいねぇ。私も頑張らなくちゃ。」となります。先を行く先輩方がいるからこそ、気持ちに張りが出ることもあるのだと思います。

・職員による創作劇

皆さんご存知の昔ばなし「浦島太郎」を、善了寺バージョンにアレンジしました。衣装から舞台装置までほぼ手作り!という中で、利用者さんにも小道具や大道具の制作にご協力頂いて完成させました。ご住職、坊守さんも特別出演くださいました。まさかあの人が!という配役で、ご観覧の皆さんには楽しんで頂けたのではないでしょうか。手前みそですが、傑作だったと思います!

↓↓↓当日の様子を一部公開しています!↓↓↓
善了寺ともに講 公式チャンネル

 

お寺のデイサービスの立ち上げは、一筋縄ではいかなかったと伺っています。また、それ以上に維持していくのは大変なことであったと思います。東日本大震災の時も、母屋の建て替えの時も、コロナ禍の時も、さらに私たちが計り知れない大きな波を受けていても、心くじけずにデイサービスを続けてくださってありがとうございます!!

このような集いの場、学びの場を与えてくださってありがとうございます!!

そして、デイサービスで出会った方々、また、これから出会う方々すべてに、ありがとうございます!!

20年の節目を新たなスタートとし、一日一日を大切に皆さんと過ごさせていただきます。これからもよろしくお願いいたします。