こんにちは。 

私は2019年4月から瀬戸内海の離島、小豆島で暮らしています。夫、子ども二人と横浜から移住してきました。ここでは島暮らしの日々をお届けします。

 

今回は、私が日々の暮らしのなかで小豆島の代表的な「音」だと思うものを3つ選んでみました。

その3つとは、

①虫や鳥の鳴き声

②雨や波の音

③毎日の町内放送

です。

 

①虫や鳥の鳴き声

 

これは大音量であることが大きな特徴です。日中は鳥が、夜は虫が鳴きつづけます。もちろん移住前に都市部で暮らしていたときもセミや秋の虫の鳴き声はありましたが、とくに島の虫はとにかく量が多いです。気になるとうるさくて眠れないときもあります。

家のまわりは空き地が多いので360度すごいボリュームで、音にぐるりと囲まれているような感覚です。暗闇の中でそこかしこから大音量で迫ってくる音は、まるで映画館のサラウンドスピーカーのよう。

10種類くらいは聞き分けられるのですが、虫に詳しくないのでどれがコオロギでスズムシでキリギリスなのか、ひとつも当てられないのが悲しいところです…。

それぞれに鳴きかたのリズムと静寂の間隔が一定なので、それぞれが好き放題に鳴いているようでいて、不思議と調和が取れた合奏にもきこえます。

大音量なので時にうるさいと感じながらも、都市部の雑音や喧騒ほどストレスにならないのは、音の一つ一つが澄んでいることと、この不思議な間合いが生み出す自然のリズムがあるからかもしれません。

日中の鳥の鳴き声については、住んでいる集落によって違いがありそうです。

私たち家族が住んでいるのは小豆島町の中心部からもしばらく離れた、とても小さな浜辺の集落です。日中も人の気配があまりなく、メインの道路からも離れているため車の音もほとんどありません。

そんな静寂の中、一日じゅう鳥たちが元気にのびのびとさえずり、これもまたサラウンドで、そこかしこから沢山の異なった音色が聞こえます。

虫と同様、私には何の鳥なのか全くわからず、もちろんどの鳴き声が誰なのかもわかりません…。一応調べたところによると、小豆島にいる鳥はイソヒヨドリ、ツグミ、オオルリ、セキレイなどだそうです。いまはまだ「なんかの鳥」としか認識できない状態ですが、見た目でも鳴き声からでも、「これはイソヒヨドリ!」と正体がわかるようになりたいなぁと思います。

以下のリンクから聴いてみてください。別のページに音だけ流れます。(画像はありません)

虫や鳥の鳴き声

②雨や波の音

 

これらは基本的に静かな環境だからこそ聞こえる、水の音です。

瀬戸内海はほんとうにびっくりするくらいに穏やかで波が小さく、海面はいつでも鏡のように平たく保たれているので、ザブンザブンと打ち付けるような波音はしません。

浜辺まで1分の距離で暮らしていても、よくよく耳を澄ませてようやく、シャプン…シャプン…と聞こえるかな、という程度のしずかな波音です。

このどこまでも優しく控えめな波の音も、小豆島の特徴的な音の一つです。

 

普段は大合唱の虫や鳥も、雨が降り始めると鳴き声潜め、静かになります。その静寂のなかでは、サアアアアアア…と雨つぶが地面に打ち付ける音や、傘にあたってパラパラパラパラとはじける音が耳に大きく響きます。

延々と落ちてくる無数の雨つぶの音に、なぜか心落ち着くということはありませんか?

雨の音なら都市部でもどこでも聞けるけれど、雨の音だけを聞いていられるのは静寂があってこそなので、島の静けさのなかで響く雨音は格別だと思っています。

以下のリンクから聴いてみてください。別のページにとんで、短い動画が見られます。

海の波の音

③毎日の町内放送

 

③は上の2つとは全く違う人工的な音です。②までなら自然の音ばかりできれいにまとまるのですが、

この町内放送というのもまぎれもなく島の代表的な「音」です。

朝7時に近所の防災無線のスピーカーから、大音量で役場からのお知らせが流れます。

「今日からしばらく銃で鹿の駆除をするから、山にはいるときは目立つ帽子をかぶるなどして気をつけてね」、というややデンジャラス(そのわりに対策が弱め)な内容だったり、

「役場で開催される税金・健康関係の相談会のお知らせ」だったりします。

お昼の12時にはキ~ンコ~ンカ~ンとチャイムが鳴り、夕方には夕焼けこやけのメロディがゆっくりと流れ、「子どもはおうちに帰りましょう」というアナウンスが流れます。

個人的な事情ですが、自宅のすぐそばにある防災無線のスピーカーの音量がかなり大きいため、特に夕方の夕焼けこやけはとんでもなく大音量で聞こえてきて、その間は家のなかにいても会話ができないほどです。インターネットやSNSの時代に、音で情報を一括で届けちゃうという、けっこう強引なやり方に最初はけっこうストレスを感じていました。ボリューム調節ができないこと、聞き逃してもリピートができないのが主な原因です。

それでも子どもたちが、「はやくおうちに帰りましょう」と流れると「帰ってまーす!!」と返事をしたり、お昼のチャイムが鳴ったことで作業をやめるきっかけにしたり、季節によって夕焼けこやけの音楽が流れる時刻が変わるので、日が伸びてきた・短くなったという実感がわいたりして、毎日毎日繰り返し流れる町内放送にもだんだん馴染んできました。

 

特に子どもたちにとっては、虫や鳥、波や雨といっしょに、この町内放送の音もふるさとの記憶の一つになっていくのだろうと思います。

以下のリンクから聴いてみてください。別のページにとんで、短い動画が見られます。

毎日の町内放送

皆さんの暮らしている場所の、代表的な「音」は何ですか?