善了寺のデイサービス「還る家ともに」のおばあさんと、先日お芋掘りをしたときのこと。その方は、若いときに芋掘りをした経験があるらしく、ドンドンと自らお芋畑の中に入っていって、引き抜いておられました。

ところがその後、手を洗う段になると、「あら、何でこんなに手が汚れてるのかなあ」と、ついさっきお芋掘りをされたことをもう、忘れてしまったのです。ほんの5分前の事です。ついさっきまであんなに良い笑顔でお芋堀りをされてたのに……。

介護職としては、春に耕し夏に肥料をやり、今日この収穫の喜びのために、時間と労力を費やしてきたのだから、せめて1日くらい、いや、半日くらい覚えてほしかったとの、正直な思いもあります。

ただ、同時に教えてくれたのは、人は『瞬間を生きている』と言うこと。過去の事をふりかえったり、歴史に学ぶことも大切なことです。また、未来を見通して計画をたてることも、とても大切なことです。でも、人は『この瞬間、瞬間を生きているんだ。』と言うこと。過去を悔やんだり、未来を負担に思いすぎず、この瞬間をどんな気持ちでどう生きるか?今、この一瞬を大切にする。

認知症になっても、人を導く尊い生き仏さまで、いらっしゃいます。手が合わさります。

さて、昨日のお弁当は手抜きしたから、明日のお弁当に気合いを入れるため、今この瞬間にする大切なことはなあに?