本堂の花を新しく生けかえる時、「葉は枯れちゃったけど、お花はまだきれい」とか、「もう開き切ってるけど、まだきれい」など、せっかく色とりどりのお花として命を授かって生まれてきたのに、まだ処分するにはかわいそう、最後の最後まで愛でたいと言う思いで、お花を集めて飾ってみました。

飾る鉢も、100年くらい使われた古い火鉢。古い火鉢も、もう使われることもなく、倉庫の奥の方で肩身が狭いように置かれていたもの。水を張って、色とりどりのお花を浮かべて、玄関に飾っておくと、キレイと言って写真を撮っていかれる方もいるほど、皆さん、愛でて行ってくれます。

世間で、花手水(はなちょうず)と言われているものに類似していると思います。この、古くなった色とりどりの花の美しさは、歳を重ねられても、それぞれに美しく咲いておられるお寺のデイサービスのおばあちゃん、おじいちゃんの姿に重なります。そして、その花たちへのお手入れは、デイサービスの介護にも重なります。

文責:横浜 善了寺
坊守 成田美砂