世情不安の中、皆さま、ご心労のことと心からお見舞い申し上げます。

 

先日、お伝えした東日本大震災追悼法要もそうですが、ご門徒みなさんが、とても大切にご法事をお勤めしてくださいます。この世情ですから、法事を営むとお声掛けすることも憚れるような時期に、お参りされるお姿は本当に尊いと思います。

 

皆さまもよくお考え頂いているのだと思います。悩まれただろうと思います。法事のおとき(お食事)は、されず、人数も、本当にお身内だけ多くても10人以下。また、お二人でお勤め頂くこともあります。

 

手の消毒をお願いしながら、お参りいただくのですが、お香の香りに混じり、消毒用の薬品のにおいも漂っているのを感じると、今の世情を思わずにはおれません。

 

ご一緒にお勤めする御命日は、今の私たちにとって、大切なご縁だと思います。つい、色々な悩みを抱え込みがちになるお互いです。そんな時、生きているものだけで物事を考え込まないという御縁はとっても大事なのだと思います。仏事の場に身をおきながら、先人の大いなる導きに出遇う、大きな視野から現実をとらえ直すご縁が必要なのだと思います。

 

世情不安な世の中だからこそどうぞ、御命日を大切になさってください。そして、お彼岸などの仏縁を大切になさってください。たとえ、ご自宅におられても、お寺参りやお墓参りができなくとも、お念仏は時と場所と状況を選ばれません。みほとけは決して見捨てることはありません。御身を大切にお念仏相続させていただきましょう。