「われ称え、われ聞くなれど、ナモアミダブツ……」

戸塚・善了寺では毎朝「朝のおつとめ」を、本堂で行なっています。その際に、住職から仏教に関するお話をさせていただいています。その時のお話を、ご紹介させていただきます。

聖徳太子様のお言葉と伝えられている言葉に「世間虚仮唯物是真」とあります。この世間の有り様は、迷い、うそ、偽りによってなりたっています。

その只中にあって、ちゃんと虚しさと、真向かいになってゆけるのは、あみださまの『決して見捨てない』という呼び声に、いだきとられている安心感を、拠り所(土台)として生きることと一つになっているからです。

限りある人間の価値観の全てを、『ナモアミダブツ』とお念仏をいただきますと、世間のことは、関係ないと言う風にはなりません。

そういう中に振り回されざるを得ないわたしに、『われ称え、われ聞くなれど、ナモアミダブツ、つれてゆくぞの親の呼び声』と原口針水和上が、よんでくださっております。

『ナモアミダブツ』と、私が称えた事ではあるが、私の力で称えているというところに、大事な意味があるのでは決してない。あみださまの大慈悲のはたらきが、この私を『ナモアミダブツ』と、念仏申す身にお育てくださるのだと頂戴をさせていただく、尊い受け止めです。

右往左往しながらも、あみださまの大慈悲にいだかれて、力強くこの世を一歩一歩、歩んで参りましょう。

このように、わたしは、味わわせていただきました。

「朝のおつとめ」は、365日行なっています。
１日の始まりを、善了寺でのお参りからはじめてみませんか。
どなた様でもお参りいただけます。
どうぞお気軽にお越しください。

文：坊守
※「ぼうもり」と読みます。住職の連れあいです。
鎌倉時代から大切にされてきた言葉なんですよ。
時々つぶやきますので、優しくお付き合いください。