2017年11月11日「『しあわせの経済』世界フォーラム2017」が開催されました。その開催に際して、サティシュ・クマールさんが来日され、戸塚・善了寺へも訪問されました。

そしてサティシュ・クマールさんをお迎えしての「ゆっくり小学校 秋の特別授業」が辻信一さんから、開催されました。その際に、サティシュ・クマールさんが語り、辻信一さんが通訳した内容を書き起こしたものです。少し長くなるのですが、ご一読いただけますと幸いです。
(前回の書き起こしはコチラから)

私の今回のツアーのタイトルはアートオブライフ。生きるアート。これまで私が言ってきた宗教に関して、スピリチュアリティに関して言ってきたことは、アートについても言えるんです。

アートは私たちの日常生活の中から、どっかに持っていかれてしまっている。ギャラリーだとか美術館だとか、博物館とかコンサートホールとか、そして一部のエリートたちにアートがいわばハイジャックされてしまっている。

宗教が、スピリチュアリティが、私たちの日常生活の一部でなければならないのと同様に、アートもまた日常生活と融合していなければなりません。アーティストというのは、私たちが思うようにある特別な種類の人だけではありません。

すべての人々が特別なアーティストです。この消費主義的な社会は、私たちをいつの間にか消費者にしたてあげました。今晩この会が終わったら、是非皆さんここ出た瞬間こう自分に言い聞かせて下さい。私はもう消費者ではない。私は特別なアーティストだ、と。

私たちすべてにそれぞれに想像力が備わっています。ですからショッピングモールとかデパートで想像力を買ってくる必要はないんです。想像力は初めから皆さんの中に平等に備わっている。

しかし教育というものが、私たちの持っているこの豊かな想像力を今まで押さえつけてきた。ビジネス界、そして政治家政府たち、企業、みんな一緒になって、私たちにあなたたちは単なる消費者だとずっとささやいてきた。

だからあなた達がすべきことは、ただただ消費消費消費。月曜も買い物、火曜日も買い物、水曜日も買い物、毎日買い物。私が日本に来た目的があるとすれば、皆さんに思い出してもらいたい。あなたたちは買い物をするために生きているのではありません。消費者ではなく、あなたたちはアーティストなんです。そして物を作る人々なんです。そして詩人なんです。

詩人と私は言いましたけども、詩人は英語でポエットと言うんですけど、このポエットの語源というのを探ると、ポエシストという言葉。これは作るという意味なんです。創造する。芭蕉のような偉大な人、単にあれは美しい言葉を並べただけじゃないですね。彼の偉大さは彼の想像力を充分に発揮したことなんです。その同じ想像力を私たちみんな一人一人が持っている。

想像力を発揮して物を作る、それが詩人になる。だからその意味ではある人は素晴らしい庭を作る、ある人は素晴らしい食べ物を作る、ある人はー何であれそうした想像力を使って私たちはみんな詩人なんです。というわけでですね、ここを出るときにですね自分に言い聞かせて下さいよ。私はアーティストで、私は作る人である。作り手である。そして私は詩人である。

消費が全くいけないと言っているわけではないんです。まず自分が、自分は物を作る創造することのできる人間であるとしっかりと据えて下さい。そのうえで美味しい食べ物食べていいんですよ。素晴らしい椅子が作れたらそこに座ってもいい。でも作ること創造することが最初にあって、それを消費することが次に来るということを忘れてはいけないのです。

(つづく)

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