今年も「かながわ感動介護大賞」で、介護のエピソードを募集しています。

「かながわ感動介護大賞」は、介護の小さな感動(嬉しかったこと、心に響いたことなど)や、介護のすばらしさを多くの人に伝えるエピソードに送られる賞です。

昨年は、善了寺デイサービス「還る家ともに」のスタッフ小川さんが優秀賞を受賞しました(詳しくは、コチラをご覧ください)。

実は、昨年、所長三根もエントリーしたのですが、結果は選考外……(かながわ福祉サービス大賞も次点で落選でした……)。そして、7回目を迎えるかながわ感動介護大賞は今年もエントリー募集中となっています。皆様もよろしかったらいかがでしょうか。

多くの方に介護のすばらしさや、やりがいを知っていただくために、三根はもちろん今年も応募します~!

「かながわ感動介護大賞」の詳細
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420254

そして、折角の機会なので、日の目を見ることのなかった三根の昨年の応募エピソードを掲載させていただきます。お付き合いいただければ幸いです。

千恵さんは大正9年生まれのおばあちゃん。脳梗塞や骨折を繰り返す中で平成19年11月から当デイを利用され、パズルや園芸・ちぎり絵や気の合うお仲間とのお話などを楽しまれ過ごされていました。

そんな千恵さんでしたが、加齢を重ねる中で肺炎や骨折を伴う転倒で入院を繰り返されましたが、決まって最後は退院され笑顔でデイを再開されるのでありました。やがて体力低下が顕著になりターミナルを意識しなくてはならない状況となりましたが、自宅で看取りたいという娘様の思いもあり、通える間はデイを利用することとなりました。

その中でデイとしてはなるべく今までの生活習慣を継続して、千恵さんの主体性を損なわないよう意識しながらケアを行いました。食事では、飲み込む力も随分と落ちてきていましたが、お好きなものは刻み程度でしっかり食べられる事もあり、なるべく本人の好きな食事の提供に努めました。排泄では、デイ利用時はスッキリ排泄してもらいたい思いでトイレにも最後まで座っていただきました。入浴では、入り慣れた家庭浴槽にて肩までお湯に浸かってもらいたいという思いで、職員も介護技術の習得に励みました。

やがて呼吸状態も不安定になってこられ、デイ利用時に危篤状態になった際はその場でも看取りも視野に入れる事などもご家族と相談させて頂く状況となりました。

平成27年5月29日の利用後より呼吸が浅く体内の酸素量もかなり低下した為、デイの利用は中止しご自宅にて安静に過ごすことになりました。デイには来られなくなりましたが、スタッフはデイ終了後にお見舞いに行ったり、時にはベッドサイドで千恵さんの好きだった東海林太郎を歌う事もありました。また、娘様からの依頼でいつもデイのお帰り時にあげているお経を聞いたら千恵さんも安心するのでは、との事でお寺の住職・坊守(住職の妻)が伺いお経をあげることもありました。

平成27年6月9日の午後、娘様から電話があり、往生されたという事を伝えられました。その日の業務終了後スタッフみんなで千恵さんの眠るご自宅に伺い、お参りをさせて頂きました。その後、市職員として働かれていた千恵さんが好きだった横浜市歌を歌おう思い立ち、涙ながらにみんなで合唱しました

千恵さん、最後までデイに通ってくれて、デイに通えなくなってもボクたちを受け入れてくれて、おかげでボクたちも心が動かされ自分の素直な気持ちで寄り添うことが出来ました。最後に歌った横浜市歌、素敵な思い出になりました。千恵さん、ありがとう~