紅葉の小さな木です。
でも、力強い木です。
これは、命の木です。

そして、つながりの木です。とても大事な木です。
そして、私にとっては、木でなく、生きとし生ける木です。だから、名前がある木です。その名は、塚越みさをさんです。

実は、デイサービスに通っておられた塚越みさをさんが、
種から育て上げた紅葉なのです。

私が、旅先で、落ちていた種を30粒ほど拾って来ました。それを塚越さんと半分づつして、お互いに自宅でまきました。私のは、とうとう芽を出すことはできませんでした。そして、塚越さんのたった一粒だけが芽を出しました。

80年生きてきて、自分は、街の子だったから、土いじりはしたことなかったから、こんなこと初めてよ~!!と、大喜びされ、是非とも、お寺に植えて~、と持って来てくれましました。

指先にのるほどの種に、我が子を育てるように水をやり、芽をだし、葉を出し、か細い茎から、太い木に成長していきました。それを見届けて、塚越さんは往生されました。でも、天真爛漫な少女のような気持ちを持ち続けた塚越さんのように、枝が自由に伸び伸びと伸びている様子から、塚越さんが「いつも見てるわよ~!!」と、言ってくれているとような気がしています。

人には笑われるかもしれません。
でも、私は、毎日、塚越さんにあっているような気持ちなのです。

塚越さんとの思い出は、過去にも書かせていただきました。
よろしければ、こちらもご覧ください。
過去の記事:孫じゃないけど祖母でした

文:坊守
※「ぼうもり」と読みます。住職の連れあいです。
鎌倉時代から大切にされてきた言葉なんですよ。
時々つぶやきますので、優しくお付き合いください。